
岡山県倉敷市で創業34年の洋菓子店「ル・フォワイエ」を展開するル・フォワイエは、「アイスケーキ コレクション」を10月1日(木)より各店舗で本格販売を開始する。
開発のきっかけ
「アイスケーキ」を開発するきっかけは、「物価高が続く中でも、もっと気軽にケーキを楽しんでほしい」との思いだった。
近年、原材料費やエネルギー費などさまざまなコストが上昇し、洋菓子業界でも商品の価格を維持することが難しくなっている。「ケーキを食べたいけれど、今日はちょっと贅沢かな」そんな気持ちを少しでも減らし、もっと気軽にパティスリーのお菓子を楽しんでもらえないかという発想から、「冷凍」に着目。
生ケーキは鮮度が重要で、基本的には購入したその日に楽しむものだ。しかし冷凍保存できるアイスケーキなら、冷凍庫にストックしておき、家族が集まる日や週末のご褒美など好きなタイミングで食べられる。
また、冷凍によって販売期間を確保しやすく商品ロスを抑えられるメリットを生かし、全商品の価格を1個561円(税込)に設定。パティスリーの技術を詰め込みながらもお手軽であることにもこだわり、「今日はどれにしよう?」と気軽に選べるケーキを目指した。
冷たい状態で一番おいしいケーキ

開発を始めて最初に直面したのが、「生地」の問題。一般的なショートケーキに使用する「ジェノワーズ」というふわふわのスポンジは、冷凍の温度帯では食感が変化しやすく、パサつきを感じやすくなる。
そこで、冷凍した状態でも素材との一体感や食感を楽しめるようにケーキの土台となる生地から見直し、ジョコンド生地やダックワーズ生地を採用した。

また、中身は商品によってアイスクリームやジェラート、ソルベ、ビスキュイ生地、ジャム、ジュレ、タルト、フルーツなど、さまざまなパーツを組み合わせている。一つひとつの素材をどう組み合わせれば、甘さ・酸味・香り・食感が調和するのか。味の設計は通常のケーキと同じであり、これまで「ル・フォワイエ」が生ケーキを作ってきた考え方と変わらない。
さらに「ル・フォワイエ」ではジェラートを提供している店舗もあり、冷たいスイーツに関する経験も積み重ねてきた。こうして34年間培ってきたパティスリーとしての技術を冷たいスイーツに落とし込んだのが今回の「アイスケーキ」。
つまりいつものケーキをそのまま凍らせた商品ではなく、冷たい状態で一番おいしくなるように設計した、パティスリーがつくるアイスケーキとなっている。
アイスケーキ製造は時間との戦い

見た目は華やかな「アイスケーキ」だが、通常のケーキとは異なり、時間との戦いという製造上の苦労があるという。
アイスクリームをケーキの形に成形し、さまざまなパーツを組み合わせている間にも、アイスは少しずつ溶けていく。そのため、製造工程ではスピードと温度管理が重要。大量生産には向いておらず、現在は少量ずつ、状態を確認しながらハンドメイドで仕上げている。
冷凍商品だから簡単に大量生産できるわけではなく、むしろアイスをケーキにするためにはパティシエの技術とスピードが欠かせないという。
秋から本格販売する理由
「アイスケーキ コレクション」は常時10種類を展開し、「ル・フォワイエ」各店にて販売予定。ただし店舗により取扱商品・販売状況は異なる。
また、アイスクリームを使用しているため長時間の常温環境では溶ける可能性があり、持ち帰りの際は保冷バッグ等の使用を推奨している。なお、商品内容、価格、販売店舗、販売期間等は変更となる場合があるとのこと。
今回、「アイスケーキ」の本格販売を夏ではなく10月からとしたのには理由がある。
というのも、アイスクリームそのものをケーキのように仕立てた商品であるため、持ち帰り時間が長くなって溶けてしまわないよう、購入者にはできるだけ温度を保った状態で持ち帰ってもらう必要がある。夏の最需要期からいきなり大々的に販売した場合、購入者との認識のズレから猛暑の中で溶けてしまう危険性を感じたという。
そこで、秋に突入する10月から本格販売を開始し、秋・冬を通して「これはケーキを凍らせたものではなく、アイスクリームで作ったケーキです」という商品の特性を周知。来年の夏にはより多くの人からの理解を得た状態で、アイスケーキの需要が高まる季節を迎えられるよう、商品を育てていくとしている。
パティスリーの技術を凝縮したアイスケーキが冷凍庫にあれば、より自由に日々のスイーツタイムを楽しめるのでは。
ル・フォワイエ公式HP:https://www.le-foyer.net
(紫原もこ)